2009 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光プローブ・デンドリマー複合体の創製と、細胞および動物個体イメージングへの応用
Project/Area Number |
21750135
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺井 琢也 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 助教 (00508145)
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Keywords | 蛍光 / デンドリマー / イメージング / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
本年度は、主に下記の2点について研究を行った。 1.年初に立案した研究計画では、細胞膜透過性を有するとされるカチオン性デンドリマーに対して様々な蛍光団を結合させ、それらの複合体が細胞に導入されるか否かについて検討する予定であった。その中でも特に、蛍光性希土類金属錯体の細胞導入について重点的に研究を行うことを計画していた。しかし、当研究室で同時に遂行されていた別の研究プロジェクトより、カチオン性デンドリマーを結合させない錯体においても、希土類金属に対してエネルギー供与体として機能するアンテナ部分の構造によっては錯体に細胞導入性を付与することが可能であることが示唆されたため、近赤外領域に蛍光を有する希土類金属錯体に脂溶性の高いアンテナ構造を結合させた新規蛍光性希土類金属錯体を合成し、細胞実験を行った。その結、果合成した錯体は細胞内に導入され、蛍光を観察することに成功した。 2.BODIPYは可視光領域に吸光・蛍光を有する代表的な蛍光団の一つであり、機能性蛍光プローブの基本骨格としても幅広く応用されている。しかしながら、蛍光団上の置換基と波長特性との関連については必ずしも十分な検討が行われてこなかった。そこで、細胞および動物個体イメージングへの応用を視野に入れ、分子内にアミノ基を導入したBODIPY誘導体を新たに合成し、その蛍光特性について精査した。その結果、非常に興味深いことに、合成した化合物は通常とは異なる吸収波長を有しており、標的分子の存在によって励起波長が変化する新たなプローブの設計法への可能性が示された。
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Research Products
(21 results)