2010 Fiscal Year Annual Research Report
ロタキサン形成をトリガーとする糖認識ポリマーの高次構造・機能制御
Project/Area Number |
21750139
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
阿部 肇 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 准教授 (10324055)
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Keywords | らせん / 円二色性 / 糖認識 / ロタキサン / 協同効果 |
Research Abstract |
ロタキサンの超分子化学を利用し、分子認識機能を制御できる人工ホスト高分子を開発することが本研究の目的であった。申請者が研究を続けている、糖を認識する人工ホスト高分子「エチニルピリジンポリマー」に新たにリング部位を導入する分子設計の概念に基づいて、前年度に引き続いてピリジン環の4位上に含窒素ホスト部位を導入した人工ホスト高分子の合成と機能評価を試みた。さらに、アロステリズムについて、金属イオンをトリガー因子とした系を新たに試みた。 2,6-ジブロモピリジンから出発し、前年度に合成法を見出したアザクラウン誘導ポリマーでの知見から、本年度はその改良および一般化を進めた。その中で、非環式アザエーテル部位を側鎖に有するポリマーの合成に成功した。このポリマーの塩化メチレン溶液に対して糖質とともに銅(II)イオンを加えたところ、エチニルピリジンポリマー主鎖のらせん型高次構造がキレーションにより安定化され、糖に誘起されたキラリティによる特徴的な円二色性が、従前のエチニルピリジンポリマーの場合に比べ非常に強く現れた。すなわち、ロタキサンの形成と同様に、金属イオンによるキレーションによっても糖質の分子認識とらせんのキラル誘起について正のアロステリズムが観測された。
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Research Products
(7 results)