2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体クラスター分子を活物質とする新しい電池材料
Project/Area Number |
21750141
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉川 浩史 Nagoya University, 理学研究科, 助教 (60397453)
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Keywords | 二次電池 / 金属錯体 / 炭素材料 / 電気化学 |
Research Abstract |
本研究では、多段階の酸化還元能を有する金属錯体クラスター分子であるポリオキソメタレート(POM)[PMo_<12>O_<40>]^<3->を正極活物質としたポリオキソメタレートクラスター電池について、正極中のPOM濃度や対カチオンの種類に依存した電池特性を調べた。 正極活物質である[(C_4H_9)_4N]_3[PMo_<12>O_<40>]と導電性付与剤である炭素材料を混合することで正極材料を作製した。活物質濃度が10,15,20,25,30wt%の場合について、負極を金属リチウムとするコインセル電池を作製し、電圧範囲4.2-1.5V、電流1mAで定電流充放電試験を行った。 各活物質含有率における放電容量のサイクル特性から、含有率が10wt%の場合、1サイクル目の放電容量が約260Ah/kgと非常に大きい値を示すことが分かった。含有率を増やすほど放電容量は減少し、30wt%では約80Ah/kgとなった。また、サイクル特性も活物質の含有率が高いほど悪くなった。インピーダンス等の電気化学的測定をおこなうことで、この含有率と電池特性の関係を解明した。また、正極材料のMo-K吸収端XAFS測定によってPOMの価数や構造変化を追跡し、充放電中の電池反応の違いからも上記の関係を明らかにした。さらに、対カチオンの種類に依存した電池特性についても検討をおこなった。
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Research Products
(5 results)