2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドナノチューブを軸とした新規物質の創製と構造・物性評価法の開発
Project/Area Number |
21750142
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北浦 良 Nagoya University, 名古屋大学大学院・理学研究科, 准教授 (50394903)
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Keywords | カーボンナノチューブ / ナノワイヤー / 透過型電子顕微鏡 / 電気伝導度 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブの内部空間を利用して、金属、金属錯体、有機分子などの様々な物質の低次元配列を系統的に高収率で合成することに成功した。特に、金属ナノワイヤーにおいては、収率が90%以上を達成することができた。また、それらの構造を透過型電子顕微鏡を用いて解析し、原子レベルでの構造の決定に成功した。そこでは、直径が1ナノメートル程度に制限されたことに由来して、バルク結晶とは大きく異なる構造をとることがわかった。たとえば、ユーロピウムナノワイヤーはバルク結晶の状態と比べて結合距離が20%以上も長くなっていることが明らかになった。 これら新規物質の構造と物性相関を明らかにするために、サブマイクロメートルの貫通穴を開けた基板を作成し、そこにナノチューブが架橋した構造を利用して、透過型電子顕微鏡と伝導度測定および光学測定の同一場実施法の開発を行った。特に、架橋構造の作成には、誘電泳動や化学気相成長法を適用し、それぞれの実験パラメータを系統的にふることによって歩留まりを挙げることを行った。その結果、孤立した一本のナノチューブを20%程度の確率で架橋させることができた。今後は、これらの構造を用いて、その構造と物性を精密に調査することに取り組む予定である。
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