2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属の空間配列制御を指向した超音波応答性ゲル化反応
Project/Area Number |
21750144
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小宮 成義 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (00301276)
|
Keywords | 白金錯体 / 超音波 / ゲル化 / 分子集合 / 発光 |
Research Abstract |
本年度は、超音波応答性ゲル化反応に関する研究を行った。当研究室では、すでに環状2核パラジウム錯体による錯体超音波応答性ゲル化反応を見出しているが、この現象を他の金属錯体へと拡張するため、同様構造を有する白金錯体に関する検討を行い、その合成を確立した。メチレンスペーサーの長さの異なる白金2核錯体について、白金配位平面がcis, transの関係にある異性体を作り分け、それぞれ単結晶X線構造解析により、その構造とパッキング構造を明らかにした。これらの錯体が溶液状態で発光するのみならず、固体状態でも発光を示すことを見出した。固体発光の強度が、異性体により異なること、また、発光挙動が、分子構造と集積構造に依存することを明らかにした。これらの錯体のうち、anti-型の錯体が、短時間の超音波照射に応答して有機溶液をゲル化することがわかった。このゲル化では、溶液状態からゲル状態に相変化する際に、発光強度が大きく向上するというAIEE現象が得られた。また、超音波応答性がメチレン鎖長に依存するという興味深い結果が得られた。trans-型白金錯体のキラリティーと分子集合に関する情報を得るため、これらの錯体のHPLCを用いた光学分割を行い、さらに絶対配置の決定に成功した。分子のキラリティーとゲル化における分子配列の関係を調べたところ、メチレン鎖長が5の場合はホモキラルな分子集合が優先し、メチレン鎖長が7の場合はヘテロキラルな分子集合を起こすという、構造特異的な分子集合挙動が明らかとなった。
|
Research Products
(11 results)