2009 Fiscal Year Annual Research Report
単一粒子反応解析に基づく酸化チタン光触媒の機能解明と新規複合ナノ材料への展開
Project/Area Number |
21750145
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
立川 貴士 Osaka University, 産業科学研究所, 助教 (20432437)
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Keywords | 光物性 / 酸化チタン / 単一分子分光法 |
Research Abstract |
1. 単一TiO_2ナノワイヤの発光観察 光触媒活性を単一粒子レベルで評価する手法の開発を目指し、TiO_2ナノワイヤの光励起による欠陥発光の検出を行った。アルカリ水熱反応によってTiO_2ナノワイヤを合成し、405nmレーザー励起による欠陥発光の単一粒子レベルで観察した。アルゴン雰囲気下で光照射を行うことにより、著しい発光強度の増加が観測された。この発光は、ナノワイヤ上に不均一に観測され、酸素濃度の増加に伴い、その持続時間が減少することがわかった。スペクトル測定及び反応速度式による定量的解析、単一粒子電気化学分光測定から、観測された発光はTiO_2ナノワイヤ表面に捕捉された電子に起因していることが明らかになった。 2. 単一チタノシリケートゼオライトにおける光触媒反応活性点の蛍光検出 レドックス応答型蛍光プローブであるアミノフェニルフルオレセイン(APF)を用いて、チタニアワイアを有するゼオライトであるETS-10の光触媒反応表面活性点を単一分子・単一粒子蛍光分光法を用いてその場検出した。ETS-10はフッ酸による表面処理により、反応性や結晶毎の活性の不均一性が増加することがわかった。さらに、クエンチャーや電気化学的手法を用いた実験から、APFの発光にはOHラジカルとの二分子反応によるものと捕捉ホールによる直接酸化によるものとが存在することがわかった。 3. その他 TiO_2光触媒、半導体量子ドット、金クラスターなどに関する研究を行い、学術論文として発表した。いずれも本研究課題と密接に関連した研究である。
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Research Products
(8 results)