2010 Fiscal Year Annual Research Report
単一粒子反応解析に基づく酸化チタン光触媒の機能解明と新規複合ナノ材料への展開
Project/Area Number |
21750145
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
立川 貴士 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20432437)
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Keywords | 光物性 / 酸化チタン / 単一分子分光法 |
Research Abstract |
1.還元反応応答型蛍光プローブの開発 フルオロフォアとしてBODIPYを、還元反応部位としてジニトロフェニル基を有する還元反応応答型蛍光プローブ、3,4-dinitropheny1-BODIPY(DN-BODIPY)を合成した。MR法や蛍光分光法などを用いた構造解析および発光特性解析の結果、ジニトロフェニル基のひとつのニトロ基が多電子的に還元されることで、強蛍光性の4-hydroxyamino-3-nitropheny1-BODIPY(HN-BODIPY)を生成することがわかった。 2.単一TiO_2ナノ粒子の光触媒活性観察 還元反応応答型蛍光プロープであるDN-BODIPYを用いた単一分子蛍光観察により、TiO_2ナノ粒子の光触媒還元反応を単一分子・単一粒子レベルでその場観察した。TiO_2表面で起こる還元反応は、確率的に起こり、また、反応活性サイトは直径約150nmの粒子上にほぼ均一に存在していることを見出した。さらに、反応が起こるまでの平均待ち時間は蛍光プローブ濃度の増加に伴って減少し、Langmuir-Hinshelwoodの式に従うことがわかった。 3.TiO2光触媒反応における結晶面依存性 TiO_2マイクロ結晶上における光触媒還元反応を単一分子蛍光イメージング法によって直接観測することで、{101}面が表面エネルギーの高い{001}面よりも還元能が高いことを初めて明らかにした。 4.その他 種々のTiO_2光触媒、半導体量子ドット、金属一有機骨格ナノ粒子などに関する研究を行い、学術論文として発表した。いずれも本研究課題と密接に関連した研究である。
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