2010 Fiscal Year Annual Research Report
光反応における生体高分子の超分子構造変化のリアルタイム追跡
Project/Area Number |
21750147
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
湯浅 順平 奈良先端科学技術大学院大学, 物質科学創成研究科, 助教 (00508054)
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Keywords | プローブ / DNA / 構造変化 / タンパク質 / 時間分解 / CPL / キラリティー / カルバゾール |
Research Abstract |
本申請研究の目的は光反応におけるDNAの超分子構造変化をリアルタイムに追跡することである。具体的にはDNAに相互作用した発光プローブの円偏光発光(CPL)を測定する。この円偏光発光は発光プローブがキラルな超分子構造(二重螺旋構造)を持つDNAに相互作用することにより誘起される。円偏光発光からは左右円偏光成分の発光強度差から与えられる物理量、g値を正確に求めることができる。g値は発光プローブの励起状態におけるキラリティーを明確に反映するため、DNAの超分子構造変化に対して極めて敏感である。このg値の経時変化を測定することでDNAの超分子構造変化をリアルタイムに追跡することができる。プローブ分子の発光が大きいg値を示すためには、発光分子が強い励起子相互作用を起こすことが鍵となる。そのためには2つの発光分子を近接した位置に導入する必要がある。カルバゾール骨格の3、6位に三重結合を介してイミダゾリニウム基を導入した(1m^+)_2Czを合成した。本年度はこのlm_2CzはDNAとそれらの濃度変化に対応して、安定性の異なる2種類の複合体を可逆に形成することを見出し、この段階的自己集合のメカニズムを明らかにした。またこれに関連して、水溶性の発光プローブ分子の開発を行なった。 その成果の一例として、1,2,4,5-テトラジンの3,6位にアミノピリジル基を導入したジアミノテオラジン(PyNH_2)_2Tzが水溶液中で亜鉛イオン(Zn^2+)と相互作用することで許容遷移であるπ-π*発光に由来する強い発光を示すことを初めて見いだした。この(PyNH_2)_2Tzの発光応答はZn^2+に対して高い選択性を示すことを明らかにし、テトラジンの水溶性蛍光センサーとしての応用の可能性を見いだした(Chem.Commun.2011 in press)。
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Research Products
(7 results)