2010 Fiscal Year Annual Research Report
異種金属ドープ型量子サイズ酸化チタンの創製と量子物性
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21750151
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
佐藤 宗英 独立行政法人物質・材料研究機構, 次世代太陽電池センター, 研究員 (00509961)
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Keywords | デンドリマー / 量子サイズ金属酸化物 / アトムテクノロジー / 量子物性 / 磁性 / 発光 |
Research Abstract |
従来までの金属の混合は統計分布をもつ。次世代を担うナノテクノロジーではこれを打破した金属数と種類を厳密に制御し混合したヘテロ金属酸化物ナノ粒子の創製法が強く望まれている。 多段階放射状錯形成を示す精密金属集積型デンドリマーを鋳型としてTi原子数が精密に制御された量子サイズ酸化チタンの合成法を確立、従来までの強い凝集力により作製不可能であったサブナノの(Ti元素数6~30)の酸化チタンの合成に成功している。この新しい酸化チタンにより明確な量子サイズ効果を初めて報告している。昨年度までに、Tiと異種金属(Fe,Eu)による精密ヘテロ金属集積において、異種金属がTiよりもより内層へ金属集積されることを、UV-visスペクトル変化とXPSによって確認している。 本年度は、異種多核金属錯体を前駆体として用いることで、ヘテロ酸化物量子ドットの金属組成比の制御に成功した。Eu-Ti多核錯体から作製したヘテロ酸化物量子ドットからはEuからの発光が観測された。発光過程は酸化チタンからのエネルギー移動であり、Euは酸化チタン量子ドットにドープされていることが明らかにした。 また、Fe-Ti多核錯体から作製した酸化物量子ドットでは、FeとTiの化学変換速度の違いから酸化鉄-酸化チタンのコアシェル構造が得られた。このヘテロ酸化物量子ドットの磁気力顕微鏡による観察で、界面磁化の寄与と考えられる室温磁気応答を観測した。
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Research Products
(4 results)