2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物性バイオマスの総合的有効利用による有用性ケミカルスの生産
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21750159
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐々木 千鶴 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (50452652)
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Keywords | 環境技術 / バイオリアクター / バイオマス |
Research Abstract |
未利用のセルロース系バイオマスとして砂糖黍の絞り粕であるバガスを試料として実験に用いた。バガスに含有されるセルロース成分を効率的に得るための前処理法についてマイクロ波照射処理と白色腐朽菌(Ceriporiopsis subvermispora)処理の併用について検討した。まず、白色腐朽菌による処理時間の検討を処理期間を2、4、8、12週間として処理後バガスに含有されるそれぞれのホロセルロース量、リグニン量の変化を調べた。リグニン量、ホロセルロース量ともに処理週間が長くなるにつれて減少したため、初期量に対するリグニン減少量20%とホロセルロース減少量15%である8週間を最適処理時間とした。糖化に用いるセルロース分解酵素は明治製菓製のメイセラーゼを用いた。バガスの還元糖収量は、白色腐朽菌処理をせずに180℃,10分間マイクロ波照射処理したアセトン・水不溶成分100gあたり17gであったのに対し、白色腐朽菌処理(8週間)をしたのち、200℃,10分間マイクロ波照射処理を施したバガスの酵素糖化による還元糖収量はアセトン・水不溶成分100gあたり66gに増大した。次に白色腐朽菌処理した後マイクロ波照射した(200℃、10分処理)バガスおよび腐朽菌処理せずにマイクロ波照射処理したバガスのアセトン・水不溶成分を基質として酵母を用いたエタノールの同時糖化発酵を行った。得られたエタノールはアセトン・水不溶成分のホロセルロースあたり白色腐朽菌処理したものでは36%、腐朽菌処理していないもので27%であった。以上の結果から、白色腐朽菌Ceriporiopsis subvermisporaによる処理とマイクロ波照射処理を併用した前処理は、バガスの有用資源化への前処理として有効であることが示された。
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Research Products
(20 results)