2009 Fiscal Year Annual Research Report
酸素・水素を反応剤とする金クラスター触媒の高選択的官能基変換
Project/Area Number |
21750160
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
石田 玉青 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 助教 (90444942)
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Keywords | 金触媒 / 金クラスター / ワンポット反応 / グリーンケミストリー / 二級アミン / N-アルキル化 |
Research Abstract |
アルコールと1級アミンとのN-アルキル化反応は、2級アミンの撰択的合成法として、最近注目を集めているが、不均一系触媒を用いた報告例はまだ少ない。 本研究では、多孔性配位高分子担持金クラスター触媒を用いて、N-アルキル化を行うと、平均粒子径が2nm以下の金クラスターを担持した場合にのみ、窒素雰囲気下で反応が進行し、2級アミンを選択的に得られることを明らかにした。 次に酸化物担持金ナノ粒子触媒を用いてN-アルキル化反応を行うと、高分子担持触媒の場合に必要であった塩基の添加なしに反応が進行し、2級アミンを選択的に得られることが分かった。酸化物担体がアルコールの脱プロトン化を担うことにより、アルコールの脱水素化が塩基なしで進行したと考えられる。 更にAu/ZrO_2を用いた場合では、収率91%で2級アミン撰択率を97%まで向上させることができた。1級アミンの吸着をFT-IR(拡散反射法)により測定した結果、2級アミンを撰択的に生成するAu/ZrO_2では担体のみでもアミンを吸着できるのに対し、2級アミン撰択性の低いAu/CeO_2ではアミンをほとんど吸着しないことが分かった。このことから、触媒表面上にアミンが予め吸着されていることで、アルコールの脱水素化後のイミン生成・イミンへの水素移動が効率良く進むと示唆された。 不活性な高分子担体上では、ZrO_2のような担体効果がほとんどないために、金のサイズ効果が顕著に現れ、直径2nm以下のクラスターサイズになって始めて・金表面上での水素移動が可能になったと考えられる。
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Research Products
(14 results)