2009 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸の構造解析・機能探索法に関する研究
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21750162
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武川 泰啓 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 特任助教 (60515071)
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / 質量分析 / MS^n / 構造-機能相関 / 両性イオン型クロマトグラフィー / グリコサミノグリカン / LC / MS |
Research Abstract |
本研究の目的である「コンドロイチン硫酸の構造・機能解析」に向け、本年度は基盤となる構造解析手法の確立と糖鎖ライブラリーの調製を行った。オリゴ糖レベルでの構造解析を可能にするため、はじめに2糖のMS/MSライブラリーの構築を行った。また、LC/MSにより構造多様性のある2糖を分離しながら解析する技術の確立を図った。この時、これまで一般的な2糖分析に用いられているイオン交換やイオンペアを用いたクロマトグラフィーでは、質量分析時のイオン化を阻害してしまう。そこで、両性イオン型クロマトグラフィー(ZIC-HILIC)を用いる事で、イオン化効率を損なうことなくLC/MS測定が可能となった。また、オリゴ糖サイズの分離も良好であることを確認した。 次に、これまでに構築した2糖のMS/MSライブラリーを活用し、4糖の解析手法の確立に着手した。4糖をMS^2により、2糖にフラグメント化させた後、それぞれのフラグメントのMS^3パターンを取得し、構築した2糖のMS/MSライブラリーとの一致度を評価する事により、より多様な構造をもつ4糖であっても解析可能である事を確認した。 また、「CS鎖の構造-機能相関解析を行うために必要な糖鎖ライブラリーの調製」の研究も進めた。しかし、従来の糖鎖精製法ではサンプル調製に多大の労力と時間を必要とするが、本研室で開発された糖鎖補足ビーズを用いた高速糖鎖精製法を利用することで、迅速に糖鎖ライブラリーを集積できる事を確認した。現在、この迅速糖鎖精製法と本研究で開発したZIC-HILIC/MSと組み合わせることにより、糖鎖ライブラリーの集積と解析を同時に行う事ができる技術を確立するために、研究を続行している途中である。
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