2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21750163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村岡 貴博 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教 (70509132)
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Keywords | 超分子化学 / 生体材料 / 自己組織化 / 合成化学 |
Research Abstract |
光照射された部分がbio-activeになることを利用した細胞活動の精密空間制御を実現するのが目的である。そのための材料として、細胞接着を促すRGD抗原決定基を用い、その一部を光解離性保護基で保護した両親媒性ペプチドを開発することした。具体的には、アスパラギン酸側鎖のカルボン酸を光解離性保護基である2-ニトロベンジルエステルで保護したものと、グリシンのペプチド主鎖骨格を形成するアミノ基上に2-ニトロベンジル基を導入したものを合成することした。 まず前者に関して、アルキル鎖としてパルミトイル基、ペプチド配列としてV2E2RGDS,V3E3RGDSのものを合成したが、それらの水溶性が非常に低く、単離すらできなかった。そこでV2E3RGDSのものを合成した。この化合物の場合、水溶性は確保され、塩化カルシウム添加でゲルも形成したが、光照射後に液化した。脱保護した化合物の水溶性が高すぎたためであると考えている。カルボン酸を保護した場合、光照射前後で化合物の極性が大きく変わるため、脱保護前後でほぼ同じ強度のゲルを保たせることが困難であると考え、グリシン上に保護をかけることとした。ペプチド主鎖上のアミノ基に保護基を導入するため、当然ペプチドカップリングの反応性は落ちた。そのため、通常のTBTU等の縮合剤を用いた固相合成法では合成が難しかった。しかし酸フッ化物や酸無水物を用いることで合成法を確立することができた。前者と同様、アルキル鎖としてパルミトイル基、ペプチド配列としてV2E2RGDSのものを合成し、現在それらの性質を調べている。
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Research Products
(4 results)