2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21750163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村岡 貴博 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (70509132)
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Keywords | 生体認識 / 機能化学 |
Research Abstract |
細胞外マトリックスは、細胞を保持する足場としての静的な役割の他、細胞増殖因子や接着因子などの生体活性基を持ち、細胞に対して様々な刺激を与えその活動を時間・空間の両面で制御する動的な役割も併せ持つ。この機能により、分化や増殖、接着などの細胞活動が巧みに制御されており、細胞を超えた組織の制御にも関連していると考えられている。これに着想を得、外部媒体から細胞活動をコントロールできれば、人工的に細胞伸長や組織形成を操ることができ、ひいては機能細胞を利用した「細胞材料」を作り出せると考えた。そこで本研究では、細胞を安定に保持する3次元媒体に外部刺激応答性を導入することで、生体活性度を外部刺激で自在に変化させ、細胞活動を時空間制御することを目指した。ゲル化剤に化学修飾により生体活性基を導入することで、特定の細胞活動を引き起こすことは既に実現されているが、その細胞活動をメディア内で時空間的にコントロールすることは、これまでに報告は無かった。そのために、細胞接着を促すArg-Gly-Asp抗原決定基を用い、その一部を光解離性保護基で保護した両親媒性ペプチドを開発した。グリシンの一部を保護したものの場合、光照射前で溶液のものが照射後にゲル化する、というゾル-ゲル転移を行う化合物、パルミトイル基-V2E2RGDSが得られた。それを用いて、光でゲル化することで細胞を空間固定し、同時に細胞接着を開始させる、という相変化を利用した細胞活動の時空間制御に成功した。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] 高次構造を有する両親媒性マルチブロックオリゴマーの開発2011
Author(s)
Takahiro Muraoka, Tatsuya Shima, Tsutomu Hamada, Masamune Morita, Masahiro Takagi, Kazushi Kinbara
Organizer
平成22年度附置研究所間アライアンスによるナノとマクロをつなぐ物質・デバイス・システム創製戦略プロジェクト成果報告会
Place of Presentation
仙台
Year and Date
2011-03-07
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