2009 Fiscal Year Annual Research Report
自律会合型中空粒子Nano-PICsomeの粒径制御とタンパク質キャリアへの応用
Project/Area Number |
21750166
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸村 顕広 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (70422326)
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Keywords | ベシクル / 生体材料 / ブロック共重合体 / 自己組織化 / ナノバイオ / ポリイオンコンプレックス / ナノ構造体 / ドラッグデリバリーシステム |
Research Abstract |
本研究では、水中での自律会合に基づく高分子集合体の構造の精密制御、特に100nm~サブミクロン程度の領域でのサイズの制御を行うことで、生体内での材料応用を目指す。特に、中空ナノカプセルに注目し、内部に機能性タンパク質をパッケージする箱として利用すると同時に、サイズ自体を機能として活用できる材料としての機能評価を行う。最終的には、ドラッグデリバリーシステムの中にあって、さらなる進展が期待されているタンパク質デリバリーシステムへの応用を目的としている。特に、最近申請者らが開発したポリイオンコンプレックス型ベシクルPICsome(高分子電解質部位と生体適合性部位からなるブロック共重合体の自己組織化中空粒子)はタンパウ質キャリアとして有利なポテンシャルを複数有しているため、ナノサイズ領域で高度にサイズ・構造が制御されたNano-PICsomeのシステムを確立することを目指した。本年度は、これまでのPICsomeの弱点を解決する以下の成果を上げた。(1)まず、サイズを制御するファクターを整理し、構造の最適化を行った。この結果、物理的パラメタ、特にポリマー濃度、温度、添加塩濃度がサイズと構造を制御するキーパラメタであることを見出し、ユニラメラベシクルとしてのNano-PICsomeの粒径制御を100-400nmにおいて実現した[J.Am.Chem.Soc.2010,132,1631-1636.]。(2)(1)の結果をふまえて、生理条件下での安定性を賦与する手法を開発した。実際には、Nano-PICsomeにEDCにより架橋をかけることにより、濃縮や凍結乾燥に対する耐性や血液中での安定性を賦与すねことに成功した。(3)さらに、モデル化合物としてデキストランなどの高分子物質を簡便に封入できることも確認し、次年度以降、本格的にタンパク質デリバリーシステムとしての評価を行っていく準備を整えた。
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Research Products
(33 results)