2009 Fiscal Year Annual Research Report
短鎖ヘリカルペプチドを骨格とするタンパク間相互作用阻害剤の開発
Project/Area Number |
21750167
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤本 和久 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 助教 (40334718)
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Keywords | α-ヘリックス / タンパク間相互作用 / 阻害剤 / 生体高分子 |
Research Abstract |
α-ヘリックス構造は、基質との相互作用部位をはじめとするタンパクの機能発現部位に多くみられる。そこで安定なヘリックス構造をとるペプチドを合成、すればタンパクと生体分子との相互作用を、ペプチドとの相互作用へ還元することが可能である。すでに当研究室において、クロスリンク剤を用いて、ランダムな構造をとったペプチドを安定なヘリカルペプチドに変換する手法を確立している。本研究において安定なヘリックス構造を有する短鎖ペプチドを骨格とするタンパク間相互作用阻害剤の開発を最終目標とする。平成21年度において、ヘリカルペプチドとDNAとの相互作用を、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)により定量的に解析することにした。 DNAと結合する架橋ヘリカルペプチドの配列は、組織分化にかかわる転写因子(Homeodomain)のDNA結合部位を基に決定した。HomeodomainのDNA結合部位は、タンパク中でヘリックス構造をとることが知られている。架橋後のペプチドは、架橋前のペプチドに比べて、そのヘリックス含有率は大きく向上した。また、導入した蛍光ラベル化部位はヘリックス安定化にほとんど影響を与えないことがわかった。得られたペプチドの水溶液に、TAMRAで修飾したDNAを加えるにつれ、フルオレセインからの発光は減少していった。TAMRAで修飾していないDNAを加えても発光の減少が観測されなかったことから、この発光の減少は、DNAによる消光によるものではなく、TGからTAMRAへのFRETによるものであることが明らかとなった。滴定実験の結果を基に解離定数を算出したところ、架橋ペプチドとDNAとの解離定数は約0.3nM、非架橋ペプチドの場合は約30nMと算出された。ペプチドの高次構造を事前に形成させることで、ペプチドとDNAとの会合力を大きく向上させることがわかった。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Characteristic Fluorescence Behavior of Dialkynylpyrene Derivatives in Hydrophobic Cavity of Protein2009
Author(s)
Shinmori, H., Furukawa, H., Fujimoto, K., Shimizu, H., Inouye, M., Takeuchi, T.
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Journal Title
Chem.Lett. 38
Pages: 84-85
Peer Reviewed
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[Journal Article] Photophysical Properties of 1, 3, 6, 8-Tetrakis(arylethynyl)pyrenes with Donor or Acceptor Substituents : Their Fluorescence Solvatochromism and Lightfastness2009
Author(s)
Fujimoto, K., Shimizu, H., Frusyo, M.Akiyama, S., Ishida, M., Furukawa, U., Yokoo, T., Inouye, M.
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Journal Title
Tetrahedron 65
Pages: 9357-9361
Peer Reviewed
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