2010 Fiscal Year Annual Research Report
短鎖ヘリカルペプチドを骨格とするタンパク間相互作用阻害剤の開発
Project/Area Number |
21750167
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤本 和久 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 助教 (40334718)
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Keywords | α-ヘリックス / タンパク間相互作用 / 阻害剤 / 生体高分子 |
Research Abstract |
α-ヘリックス構造は、基質との相互作用部位をはじめとするタンパクの機能発現部位に多くみられる。そこで安定なヘリックス構造をとるペプチドを合成、すればタンパクと生体分子との相互作用を、ペプチドとの相互作用へ還元することが可能である。当該研究者は、クロスリンク剤を用いて、ランダムな構造をとった短鎖ペプチドを安定なヘリカルペプチドに変換する手法を確立している。本研究において、ヘリカルペプチドとDNAとの相互作用を各種測定手法により評価した。DNAと結合する架橋ヘリカルペプチドの配列は、組織分化にかかわる転写因子(Homeodomain)のDNA結合部位を基に決定した。平成21年度において、蛍光エネルギー共鳴移動(FRET)を利用した滴定実験を行ったところ、架橋ヘリカルペプチドとDNAとの解離定数は約0.5nM、非架橋ペプチドの場合は約30nMと算出された。 平成22年度において、架橋ヘリカルペプチドの基質特異性調べたところ、その基質特異性はオリジナルのタンパクに匹敵することが明らかとなった。表面プラズモン共鳴(SPR)測定からも、架橋ヘリカルペプチドは非架橋ペプチドに比べて非常に強くDNAに結合することがわかった。次年度以降において、タンパク-タンパク間相互作用を標的とした研究を展開していくために、いくつかのタンパク-タンパク間相互作用における結合ドメインを基にした架橋ヘリカルペプチドの合成に着手した。具体例として、癌抑制遺伝子の一つであるp53とHDM2との相互作用の結合ドメインを基にした架橋ヘリカルペプチドを合成している。
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Research Products
(10 results)