2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNA内光電荷分離寿命に基づくDNA情報の読み出し
Project/Area Number |
21750170
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川井 清彦 Osaka University, 産業科学研究所, 准教授 (50314422)
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Keywords | DNA / 光電荷分離 / 一塩基多型 |
Research Abstract |
これまでに応募者は、DNAを一電子酸化する光増感剤(=蛍光色素)を用いて、DNA内電荷分離を達成してきた。しかしながら、生体試料の分析に適さない、紫外光励起による光電荷分離状態の生成であった。本年度は、単一分子蛍光測定に使用されている可視光励起が可能な蛍光色素を用いた光電荷分離の検討を行った。蛍光色素とDNAの間で電子移動が起こるためには、蛍光色素がDNA鎖中で核酸塩基とπスタックを形成する必要がある。本研究ではまず、蛍光色素をDNA鎖中に導入する手法の確立を行った。蛍光色素が非常に高価であるため、DNA鎖内にアミノ基を導入した修飾DNAを合成し、蛍光色素スクシンイミド体によるポストモディフィケーションによる蛍光色素導入法を検討した。DNAとアミノ基を結合するメチレンリンカーの長さ、蛍光色素スクシンイミド体と反応する際の、温度、溶媒等の最適化を行い、様々な蛍光色素をDNA鎖中に導入することに成功した。種々の配列中に様々な蛍光色素を導入し、蛍光測定によりDNA内電荷移動が進行するか調べた。その結果、周囲の配列に応じて蛍光が消光されることがわかり、電荷移動が進行することがわかった。次に、レーザーフラッシュフォトリシスを行い、光照射により電荷分離状態が生成するか検討した。その結果、光照射により長寿命電荷分離状態を生成することがわかった。電荷分離状態の寿命が配列に応じて大きく変化することを見出し、本研究で目標とする、DNA内光電荷分離寿命に基づくDNA情報の読み出しにこれら蛍光色素を利用可能であることが期待される。
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Research Products
(13 results)