2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規シッフ塩基型核酸の開発とメチルシトシン識別への応用
Project/Area Number |
21750171
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堂野 主税 Osaka University, 産業科学研究所, 助教 (60420395)
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Keywords | バイオテクノロジー / 分子認識 / 有機化学 |
Research Abstract |
天然の核酸塩基に対して効率よくシッフ塩基を形成することができる修飾核酸の開発を指向し、ホルミル基をグアニンの6位に有するグアニン誘導体(fG)の設計・合成を行った。 fGのアミダイト体を化学合成し、ホスホロアミダイト法による標準的な固相自動合成により、目的とするfG含有修飾核酸の合成を達成した。アルデヒドの保護基としては、無保護、アセタール、ジオールをそれぞれ検討したが、ジオール構造の過ヨウ素酸開裂が最も良い収率を与えた。合成したfG含有DNAを用いて、実際にシッフ塩基形成によるクロスリンク反応の評価を行った。弱酸性から中性付近の緩衝液中で、fG含有DNAとシトシンを含む相補鎖とを混合することにより、シッフ塩基形成を進行させた。DNA二本鎖の融解温度測定、HPLC、ゲル電気泳動等で解析することにより、配列選択的にシトシンおよびアデニン塩基とのクロスリンク反応が進行することを明らかにした。シッフ塩基の還元による固定化が進行しなかったため構造解析が困難であり、クロスリンクの正確な化学構造に関しては現在検討中である。様々な塩基配列を有するDNAの合成を行い、塩基配列による影響を調査した結果、クロスリンク体形成反応は非常に配列選択的であり、標的塩基とのみ反応を進行させることが可能である。DNAの主溝で進行する本クロスリンク反応は、同様にDNAの主溝に散在するメチル基の有無により反応性が変化することが予測され、DNAメチル化を識別する化学反応として有用である。
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