2010 Fiscal Year Annual Research Report
多成分蛍光タグ技術によるアミロイドβ結合ペプチドの高効率な探索
Project/Area Number |
21750172
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
北松 瑞生 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (60379716)
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Keywords | ペプチド / 蛍光 / ペプチドライブラリー / アミロイドβ / 蛍光スペクトル |
Research Abstract |
本研究では、アルツハイマー病の診断薬としてのペプチドプローブの開発を目的としている。その目的のために、アルツハイマー病の原因物質とされるAβ凝集体に結合するペプチドを探索した。このペプチドを探索するために、我々は現在研究室で開発中である多成分蛍光タグ法を用いた。多成分蛍光タグ法は、多種類の蛍光基をペプチドライブラリーに修飾させ、蛍光から標的物質に結合したペプチドを定量分析できる手法である。 Aβ凝集体に結合する配列として、Aβ(14-23)(1次構造:HQKLVFFAED)が存在する。この配列のFの部分にPheアナログを導入し、本来の配列よりもAβ凝集体に強く結合するペプチドを探索した。これらのPheアナログが導入された蛍光基修飾ペプチドはペプチド固相合成法により作製し、それぞれのペプチドはMALDI-TOF Massより同定された。 多成分蛍光タグ法によるスクリーニングの結果、予想に反して、Aβ凝集体にペプチドが結合するためには蛍光基が重要であることが分かった。塩の入っていない溶液中では、蛍光基としてDEAC(diethylaminocoumarin)が結合したペプチドが良く結合した。また、より生理条件に近い塩を加えた溶液中では、蛍光基としてBacd(Benzoacridinoylalanine)が結合したペプチドが良く結合した。しかし、決してペプチド配列が重要でないというわけでなく、Aβ(14-23)配列の配列がAβ凝集体への結合に重要であることもわかり、さらにのFにPheアナログとしてBztを導入したペプチドが良く結合することが明らかになった。今回見つけたペプチドは従来のAβ結合物質であるチオフラビンTとは異なる様式で結合することも明らかとした。
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Research Products
(3 results)