2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21750180
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
久保 貴紀 Yasuda Women's University, 薬学部, 助手 (90435751)
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Keywords | RNA干渉 / 遺伝子発現抑制 / コンジュゲート型2本鎖RNA / 脂質 / ペプチド / DDS |
Research Abstract |
本研究では、医薬への応用が期待されているRNA干渉法の問題点を克服出来る新規な機能性分子融合型RNA干渉分子の開発を行っている。 平成21年度は機能性分子融合型2本鎖RNAの開発を行った。Dicerの基質となる27塩基長の2本鎖RNAに機能性分子を結合させるために、5'末端にアミノ基を付与したセンス鎖RNAおよび未修飾のアンチセンス鎖RNAをそれぞれカスタム合成した。センス鎖RNAにはアミノ基を介して様々な機能性分子を結合させた。機能性分子としては脂質(パルミチン酸、ラウリン酸)、ポリエチレングリコール(PEG)、芳香族化合物(フェニル基、ベンジル基)、ペプチド(HIV Rev NESペプチド、MAPKK NESペプチド)などである。RNAと上記機能性分子との縮合方法はN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)などの活性エステル化機能性分子とアミノ基との反応、又は、N-(4-Maleimidobutyryloxy)succinimide(GMBS)などの2価性リンカーを利用した縮合方法を利用し、目的の機能性分子融合型センス鎖RNAを高収率で得ることに成功した。このセンス鎖RNAはアンチセンス鎖RNAとの間で2本鎖RNAを形成させ、その特性を評価した。その結果、合成した機能性分子結合型2本鎖RNAはDicerにより21-nt siRNAヘプロセシングされていることが明らかとなった。このとき、機能性分子は2本鎖RNAから離脱していることも確認している。また、脂質やペプチドを結合させた2本鎖RNAは未修飾の2本鎖RNAに比べ優れた細胞導入性を示した。さらに、Luciferaseを標的としたRNA干渉効果を評価したところ未修飾の2本鎖RNAに比べ格段に優れた遺伝子発現抑制能を示した。今回開発した機能性分子融合型2本鎖はRNA干渉法の問題点を解決できる可能性があり、今後はin vivoでの評価を行う。
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