2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト由来生理活性ペプチドホルモン末端Cアミド化酵素の構造と反応機構の全容解明
Project/Area Number |
21750181
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
下川 千寿 久留米大学, 医学部, 助教 (20529284)
|
Keywords | PAM / PHM / PAL / 銅酵素 / 亜鉛酵素 / 金属酵素 / ペプチドホルモン / 生体反応化学 |
Research Abstract |
多くの生理活性ペプチドの活性発現に必要とされるC末端アミド構造は、酵素PAM^*の触媒作用によって生成される。PAM^*は、PHM^<**>ドメインおよびPAL^<***>ドメインを有する二頭酵素である。まず第1酵素であるPHMによってグリシン残基の水素の脱離と水酸化が起こり、ついで生じた水酸化グリシン中間体は第2酵素であるPALによってアミド化ペプチドとグリオキシル酸に解裂される。昨年度は、二頭酵素PAMを用いてペプチドホルモンC末端アミド化反応におけるPAM中に含まれる金属イオンの役割について検討し、PHM活性の発現にはCuイオンのみ、PAL活性の発現にはZnイオンのみが必要であることを明らかにした。本年度では、更に金属を組み合わせて詳細に反応解析を行う事で、いくつかの金属イオンがその活性を促進または阻害することを突き止めた。複数の金属サイトが存在する二頭酵素PAMではそれ以上の解析が困難であるため、各ドメインを用いた反応解析を行う必要がある。そこで、PHMドメインおよびPALドメインの発現系の構築について検討した。既存のPAM発現ベクターからPHMおよびPAL遺伝子それぞれのサブクローニングを行い、CHO細胞にそれらの遺伝子を導入した。限界希釈法で希釈して96穴プレート上で培養した結果、各ドメインの高発現細胞を樹立することができた。 *^PAM ; peptidylglycine -amidating monooxygenase, <**>^PHM ; peptidylglycine -hydroxylating monooxygenase,<***>^PAL ; peptidylamidoglycolate lyase
|