2009 Fiscal Year Annual Research Report
生細胞内RNAの効率的時空間解析のための励起子制御型汎用的タグシステム
Project/Area Number |
21750182
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
久保田 健 The Institute of Physical and Chemical Research, 岡本独立主幹研究ユニット, ユニット研究員 (40455340)
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Keywords | 人工酸 / RNA / 蛍光イメージング / ハイブリダイゼーション / マイクロインジェクション / 蛍光核酸 |
Research Abstract |
本研究は特殊な塩基配列構造(タグ)とそれを確実に認識する励起子制御型蛍光核酸プローブのペアを確立し、RNAの長時間・多色イメージングに適用することで、生細胞内RNAの時空間解析を効率化する汎用的タグシステムを構築することが目的である。RNAの可視化とその手法の効率化は時間的変化を示す細胞内RNAの機能解明には不可欠な要素である。 本年度はまずプローブの改良を行った。励起子制御型蛍光核酸プローブは相補配列とハイブリッドを組むことで数十倍の蛍光輝度上昇を示す(ライトアップ効果)ことが既に報告されている。しかし従来型のプローブは天然のDNA骨格で形成されているため細胞内で徐々に分解される。RNAの追跡を実現するためには長時間連続観察が必須である。そのためライトアッププローブの糖骨格をDNAから2'-O-MeRNAに変更することで分解酵素耐性を付与した。これにより生細胞内で十数時間を超えて連続して蛍光観察ができるようになった。次にライトアップ効果の高いプローブ配列の検討を行った。本研究で使用するプローブは塩基配列によりライトアップ効果に差があるため、18塩基長のプローブにおいてライトアップ比(プローブ単独での蛍光輝度に対するハイブリッド状態での蛍光輝度)の高い配列を複数検討した。結果ライトアップ比が20以上を示す配列を複数抽出することができた。さらにプローブの相補配列を含む細胞内発現用プラスミドを作成した。ここで、inRNAの細胞内発現をイメージングで容易に確認できるよう蛍光タンパク質をコードした遺伝子を用い、相補配列を含む構造をタグとして組み込んだ。今後このプローブとタグを含んだプラスミドのペアを細胞に導入し、mRNAの長時間イメージングを行う予定である。
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