2009 Fiscal Year Annual Research Report
光照射自己形成プロセスによる固体有機レーザの作製と導波路集積型光デバイスへの応用
Project/Area Number |
21750192
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 兼一 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 助教 (00346115)
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Keywords | 光導波路 / レーザ素子 / 有機光デバイス |
Research Abstract |
光照射自己形成プロセスにより作製される固体有機レーザ(SWA導波路レーザ)について、今年度はレーザデバイス単体の動作特性をコントロールすることを目的とし、その作製方法と動作特性解析に重点を置いて研究を実施した。まずレーザ発振閾値を低減することを目的とし、SWA導波路レーザのキャビティ構造として誘電体多層膜ミラーを適用した。動作波長帯である700-800nm領域において反射率99,9%以上の共振器キャビティを有するデバイスを作製することに成功した。そのデバイスにおいて得られたレーザ発振閾値は、従来のハーフミラーを用いたサンプルと比較しておおよそ30分の1にまで低減することができた。誘電体多層膜ミラーの適用は単にレーザ発振動作状態での高効率の光フィードバックを与えるだけではなく、その作製過程において導波路書き込み光の光損失を低減することにも効果的であり、このことにより活性媒体色素濃度が高い場合においても良質な導波構造を得ることができる。次に、従来は800-850nmであったレーザ動作波長を拡大することを目的とし、ドープする活性媒体色素を変化させてSWA導波路レーザを試作した。従来と同じ波長405nmのダイオードレーザを導波路書き込み光源としたケースでは、スチリル11を活性媒体とした750nmでレーザ発振が可能であることを新たに示した。さらに書き込み光源波長を375nmなどとした場合でも試作を行った結果、書き込み波長を上手く調整することにより、ローダミンやクマリンといった可視領域に発光帯を持つ色素を活性媒体とした場合においてもSWA導波路レーザの作製が可能であることを示した。
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Research Products
(4 results)