2009 Fiscal Year Annual Research Report
非ヨウ素系電解液を用いた色素増感光電変換素子の構築と電荷移動機構の解析
Project/Area Number |
21750196
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
池上 和志 Toin University of Yokohama, 大学院・工学研究科, 講師 (30375414)
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Keywords | 色素増感太陽電池 / エネルギー変換 / 酸化チタン / イオン液体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、色素増感半導体ナノ多孔膜と電荷輸送層の組み合わせからなる次世代型光電変換素子(色素増感太陽電池)において、酸化剤としてのヨウ素分子(12)と触媒としての白金(Pt)まったく用いない電荷輸送層を設計し、その電子移動・電荷移動過程を明らかにすることである。 半導体ナノ多孔膜を用いる光電変換素子においては、その性能を引き出すために、電荷輸送及び電子輸送担体として、ほとんど例外なくヨウ素が含まれている。触媒として腐食性のヨウ素を用いずに電荷輸送層を作製することができれば、このタイプの光電変換素子の耐久性の大幅な向上が期待され、実用化に向けた動きを加速させることにつながる。 初年度においては、色素増感型太陽電池の基本的な測定システムとなる、IV特性測定システムの構築を行った。作製したセルの安定度を調べるための、自動測定システムの構築を行い、調整した電解液の安定度について試験を行った。電解質としては、特に、イオン液体に注目した。数種のヨウ化イミダゾリウム系イオン液体を電解質とした測定を行い、電解質濃度と溶媒の種類における溶媒依存性について、研究を行った。その結果、アセトニトリルのような低沸点・低粘度の溶媒を使った場合は、変換効率が高かったのに対し、プロピレンカーボネートのような高沸点・高粘度の溶媒では、変換効率が低くなった。色素増感太陽電池の実用性を考えた場合、高沸点・高粘度溶媒での変換効率の高効率化が必須と考えられる。さらに溶媒特性について検討を行うために、導電率測定等のシステムの立ち上げを行った。
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