2009 Fiscal Year Annual Research Report
外部からの刺激に応答するジェミニ型界面活性剤の開発とその機能性評価
Project/Area Number |
21750199
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
酒井 健一 Tokyo University of Science, 理工学部, 助教 (20453813)
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Keywords | 界面活性剤 / 分子集合体 / 刺激応答 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,外部環境の変化(刺激)に応答し,界面吸着能や分子集合体の形成能が任意に変化するジェミニ(双子)型界面活性剤を創製することである。ジェミニ型界面活性剤は少量の添加でも従来型(一鎖一親水基型)以上の界面化学的効果を発揮する次世代有機材料である。ここに刺激応答性の官能基を導入することで,低環境負荷でかつ汎用性に優れた高機能界面活性剤を開発することに本研究の独創性がある。 本研究の初年度においては,オレイン酸を出発原料とし,そこにオキシエチレン鎖(温度応答性)を導入したへテロジェミニ型界面活性剤を得た。オレイン酸は生体にやさしい物質として医薬品や化粧品への利用が期待されている。ここに低環境負荷材料であるオキシエチレン鎖を導入したことで,生体安全性および環境調和性に優れる非イオン性の界面活性剤が得られたものと期待している。現在は次年度以降への進展に向け,その基礎水溶液物性の評価,および界面活性能とオキシエチレン鎖長の関係を見出す検討を推進している。 上記の取り組みと平行し,重合性ジェミニ型界面活性剤による有機カプセル粒子の調製にも取り組んだ。ここで当該の界面活性剤は,光に応答する機能性有機材料としての位置づけである。調製された有機カプセル粒子は水中で良好に分散し,かつ,塩強度の変化に応じてそのサイズが有意に変化することを見出した。さらに,このような塩強度依存性は,調製されたカプセルの内部あるいは壁膜中に取り込まれた有用物質(香粧剤等)の捕捉・放出量を変化させることもわかった。すなわち,重合性ジェミニ型界面活性剤によるカプセル粒子は,水中の塩強度に応答するスマート材料であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)