2010 Fiscal Year Annual Research Report
細孔壁がグラフェンシート1枚で構成された規則性メソポーラスカーボンの合成
Project/Area Number |
21750203
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西原 洋知 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80400430)
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Keywords | グラフェン / ナノ材料 / 表面・界面物性 / キャパシタ / カーボン |
Research Abstract |
平成21年度に、細孔径約2nmのグラフェンシート1枚で構成される規則性メソポーラスカーボンがキャパシタ材料として有望であることを示した。しかしこの材料はメソポーラスシリカ薄膜を支持体として合成したため、シリカも含めた材料の重量あたりおよび体積あたりの容量は従来の電極材料である活性炭と同程度に留まっていた。そこで平成22年度は、純粋なカーボン材料で、かつグラフェンシート1枚で構成される材料合成を行った。このような材料は、ゼオライトを鋳型とし、そのナノ細孔内部でグラフェンを成長させることで合成できる。しかし、この手法で合成できるカーボンの細孔径は1.2nm以下に制限される。そこでまず、最適な細孔径について検討を行った。基本的に、細孔径が小さい方が体積あたりの容量は向上する。しかし、あまり細孔が小さいと細孔内部のイオンの移動抵抗が大きくなるためレート特性が低下する。検討の結果、高容量と高出力を両立する最適な細孔径は1.2nmであることが判明した。すなわち、ゼオライトを鋳型として合成されるカーボンがキャパシタ電極として最も適していることがわかった。次に、ゼオライトを鋳型とするカーボンの更なる構造最適化を行った。その結果、ゼオライトの細孔1個に対して炭素原子を約46個充填した、比表面積2910m^2/gのカーボンが、容量と出力のバランスがもっともよいことがわかった。このカーボンは電流密度が小さい領域での容量は74F/cm^3と大きく、しかも20A/gの大電流下でも約80%の容量を維持できた。また、2000回以上の充放電を繰り返しても有意な劣化は観察されず、耐久性にも優れた材料であることが示された。さらに、カーボンへのヘテロ原子のドーピングによる容量構造の検討や、エッジの量を減少させることによる耐電圧の向上に関する検討も行った。
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Research Products
(9 results)