2009 Fiscal Year Annual Research Report
シリカマトリクスへのDNA複合化による光デバイスプラットフォームの構築
Project/Area Number |
21750213
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 彩絵 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (10508203)
|
Keywords | デオキシリボ核酸 / シリカ / 有機 / 無機ハイブリッド |
Research Abstract |
デオキシリボ核酸(DNA)は生体において遺伝情報を担う高分子物質であり、生体分子としては比較的高い化学的安定性を示す。また、塩基間水素結合による二重らせんの形成や、塩基のπスタッキングによる分子内部での一次元導電性など、他の物質には見られない特徴的な性質を有している。 本研究では、高い潜在能力を秘めた機能性分子であるDNAを、強度と透明性にすぐれた無機材料であるシリカと複合化させることにより、DNAのデバイス応用を実現する新しいプラットフォームを構築することを目的とする。特に、ホスト分子であるDNAに対して機能性色素をゲストとして相互作用させることにより光学機能を発現させる。DNAとシリカを連結するリンカー分子の系統的な設計により、シリカマトリクス内部におけるDNAの運動性や電子的環境を制御し、デバイス特性のチューニングを実現する。 平成21年度は、片末端にDNAを認識するグアニジノ基を持ち、逆末端にシリカ源(テトラアルコキシシラン;Si(OR)_4)の加水分解産物と共重合が可能なアルコキシシリル基を有するリンカー分子の合成に成功し、これを用いてDNAとの複合化を試みた。赤外吸収スペクトル測定の結果から、シリカとDNAの複合化に成功したことを確認した。原子間力顕微鏡を用いて複合化の直接観察にも成功したが、この複合化は部分的であった。 現在、本研究の技術を応用し、リンカーを用いてシリカ粒子に核酸塩基を直接結合させ、粒子の集合構造を制御する研究にも着手している。
|
Research Products
(3 results)