2010 Fiscal Year Annual Research Report
高機能ナノデバイスを目指したミクロ相分離巨大単結晶体の創製
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21750214
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小村 元憲 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (90401512)
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Keywords | ミクロ相分離 / シングルグレイン / 液晶 / 混合法 / グラフォエピタキシー / 温度勾配法 / 超高密度磁気記録媒体 / 極端紫外光(EUV)フォトニック結晶 |
Research Abstract |
ナノテクノロジーにおける構造の微細化が進み、トップダウン的リソグラフィー技術と相補的にボトムアップ的自己組織化法が注目を集めている。その中で高分子ブロック共重合体が自己組織的に形成する10^1nmオーダーの周期構造を有するミクロ相分離体の応用が提案されている。しかしそれらが実際に実用化に至るのが困難である最大の原因は、その自己組織化構造の制御が完全ではないことである。側鎖液晶型ブロック共重合体が形成する規則配列ナノシリンダー構造の完全規則配向・配列制御を目指し、3次元理想配列シングルグレイン(単結晶)体を作製することを目的とする。シングルグレイン体は更に、超高密度磁気記録媒体、ウィルス・ナノ粒子分離用自立膜、極端紫外光(EUV)フォトニック結晶への応用へ繋がる。 本年度では、前年度までに開発した(1)低分子液晶混合法と(2)温度勾配印加法の条件最適化を行い、無欠陥シングルグレイン領域を100μm^2以上まで拡大し、更に、貫通シリンダー構造のアスペクト比を10^3まで増大することに成功した。また、ウィルス・ナノ粒子分離膜の応用を目指し、ミクロ相分離膜の自立膜化を行った。基板からの剥離のため、ミクロ相分離膜と基板の間に酢酸セルロース(CA)層を挟み、ミクロ相分離膜を光架橋した後に、CA層を溶解させることで、ミクロ相分離膜を基板から剥離し、自立膜化することに成功した。更に、親水性シリンダーの貫通経路を通して、低分子物質の膜透過が確認された。本研究は自己組織化法のナノテクノロジーへの貢献へ大きく寄与するものだと考える。
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Research Products
(5 results)