2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21750216
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高崎 緑 信州大学, サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 助教 (00402149)
|
Keywords | ナノ材料 / 成形加工・処理 / バイオマス |
Research Abstract |
溶媒フリーのレーザーエレクトロスピニング法(Solvent Free-Laser Electro Spinning : SF-LES)を応用した「溶媒フリーのナノファイバー製造プロセス」を「亜臨界水処理」による原料前処理と融合した新手法により、類例の無い「桑」由来の高強度ナノファイバーを創成することと、さらに生理・薬理活性を付与した高機能ナノファイバー創成へ発展させ、これらの衛生・医療材料への応用法確立を目的とし、研究を遂行した。 平成21年度は、桑からの1-デオキシノジリマイシン(1-DNJ)抽出技術の構築に注力した。繊維学部が保有する35品種のクワから葉を採取し、1-DNJ量の品種依存性を調査した結果、一般的な品種である一ノ瀬に比べ、倍数性品種の一部は1-DNJの含有量が高いことがわかった。各品種の抽出液について、α-グルコシターゼの糖質分解効果の阻害率も測定し、生理活性を評価した。その結果、信州大学繊維学部改良品種の抽出液の阻害率は、一ノ瀬の抽出液より高いことがわかった。桑の部位で比較すると、桑枝の抽出液の阻害率は、桑葉の抽出液の阻害率と同等、あるいはそれ以上の値を示した。したがって、桑葉だけではなく桑枝も1-DNJ抽出原料として有意性があることが明らかになった。 桑由来高強度ナノファイバーの創成については、主に装置のセットアップ・改良と手法の見直しを行った。ウィーン大学で3カ月間、セルロース構造・物性の評価方法関する手法を学んだ。具体的には、Gel Permeation Chromatography/Multi-Angle Light Scattering(GPC/MALS)法によって分子量を測定した。桑はパルプ系の樹木に比べ、分子量分布が異なり、分子量が高いことが明らかになり、今後の評価手法を構築することができた。
|