2010 Fiscal Year Annual Research Report
バイオベースポリマーをテンプレートするタンパク質空間規則的局在化技術の確立
Project/Area Number |
21750221
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
成田 貴行 佐賀大学, 工学系研究科, 助教 (30423560)
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Keywords | 相分離 / 局在化 / バイオベースポリマー |
Research Abstract |
多糖類の一種であるk-カラギーナン多糖類が形成する相分離パターン構造をテンプレートとして水溶液の相分離を用いクロマチンがこのテンプレート構造に則して配置されるかどうかを検証した。クロマチンは、所定の塩濃度で凝集してしまうことで、クロマチンを局在化させたパターンを形成させることはできなかった。現在、系内の塩濃度をコントロールするなどして調整を図っている。一方、アルギンとキトサンを多糖類として、お互いをゲル化させることで酵素の局在化を図った。結果、グルコースオキシターゼとカタラーゼが局在化したJANUS微粒子を作成することに成功した。この粒子は、一方の酵素反応で得られた生産物がもう一方の酵素の基質となるため、酵素反応を原動力とするナノモーターとして期待できる。 脂質混合相分離系においては、コレラ菌毒素タンパクVCHをDMPCとコレステロール混合脂質膜に吸着させることで、タンパク質空間規則的局在化を図った。操作は気一液界面で行なった。VCHはこの脂質混合膜を相分離し、コレステロールリッチ相にのみVCHが局在することが分かった。マイクロサイズでタンパク質を局在化することには成功したが、パターン化するまでには至らなかった。今後、相分離様式の解明を行い、分離した2相の界面張力を下げることで、2相分離形態を自己組織化的に構築させることで、規則配置化を試みる。
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