2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21750222
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
前田 真吾 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (40424808)
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Keywords | ゲル / アクチュエータ / 反応拡散 / ソフトマターの物理 / ナノ制御 |
Research Abstract |
生命体は,流入するエネルギーと生体内部で散逸するエネルギーが均衡して,一定の散逸構造を保つ,非平衡開放系の分子システムである.その生体内部には,神経細胞の膜電位,心臓の拍動,サーカディアンリズムなど,細胞レベルから一個体至るまでの階層においてあらゆる時空間機能を包括している.このような生体が持つ複雑かつ精密に組み立てられた時空間機能を,人工的に組み上げることができれば,生命体に近い分子システムをテイラーメイドに構築することができる.そのようなシステムを構築するため,時空間秩序を生成するBelousov-Zhabotinsky (BZ)反応に着目した.これまで,ポリマー鎖にBZ反応の金属触媒を内包させることで,心臓の拍動のようにゲルの自励的かつ周期的な構造変換を可能にしてきた.しかしながら,これまでの分子デザインでは,膨潤・収縮挙動が非常に小さいため,アクチュエータとして機能させることが困難であった.本研究では,ゲルの分子デザインと合成方法を改良することで,生体システムと同程度もしくはそれ以上の発生力を有する自律振動性の高分子ゲルの実現を目指した.さらに,本提案ゲルの物理化学的諸物性を明らかにすることで,そのメカニズムを明らかとすることも目的とした.具体的にはゲル内部にミクロ相分離機構を導入することで,特徴的なナノサイズのドメイン構造を導入することで、変位が大きくかつ発生力が大きいゲルの設計を行った.その内部構造は、SEMや光散乱によって明らかにした.
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Research Products
(12 results)