2009 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性体リングメモリの静磁的相互作用によるカイラリティ制御
Project/Area Number |
21760002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
好田 誠 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (00420000)
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Keywords | 強磁性体リング構造 / カイラリティ制御 / Vortex状態 / Onion状態 / 静磁的相互作用 |
Research Abstract |
ナノサイズの強磁性体リング構造では、Onion状態とVortex状態という特徴的な磁化状態を有する。特に磁化がリング周に沿うVortex状態では、リング端からの漏洩磁場が抑制され、かつ磁気モーメントの回転方向により右/左回り磁化状態(カイラリティ)を有することから、高密度磁気記録媒体への応用が期待されている。そこで本研究では、強磁性体/非磁性体/強磁性体3層リングにおける上下強磁性層の静磁的相互作用を活用し、強磁性体リングの形状自体を変化させること無くVortex状態におけるカイラリティ制御を行った。今年度は,多端子プローブを用いた強磁性体Co/Cu/Co3層リングの局所磁化構造検出に向けた微細加工技術の確立とマイクロマグネティックシミュレーションによる3層構造の磁化反転シミュレーションを行った。微細加工技術の最適化により直径1.2μm,内径0.8μmのCoリング構造にAu電極を4端子独立して接合できる技術を立ち上げた。当初計画していた素子サイズを実現できることから来年度は本デバイスを用いて詳細な磁化構造の電気的検出を行っていく予定である.またOOMMFを用いたマイクロマグネティックシミュレーションにより、3層構造の上層と下層Coリングが同時にVortex状態を取得る条件を見出したことから,その状態における上下Coリングの静磁的相互作用によるVortexカイラリティ制御に向けた磁化反転指針を得た。来年度は得られたシミュレーション結果と実験結果を比較することで磁化反転の詳細について議論する。
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