2009 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化カーボンナノチューブ電子エミッターのマルチスケール特性評価
Project/Area Number |
21760003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白鳥 洋介 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (50466778)
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Keywords | 自己組織化 / カーボンナノチューブ / ナノ・マイクロデバイス / 省エネルギー / ディスプレイ |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(CNT)集合体をCVDにより基板上に直接形成し、その電界電子放出(FE)特性を評価した。FEディスプレイの電子銃として求められるFEの面内均一性,長寿命化実現を目的として、CNTエミッターを自己組織的に一定の間隔毎多数形成できる条件を探り、自己組織化構造と機能に関する研究(ナノ-マイクロ領域)を遂行した。 ・自己組織化エミッターアレイの作製 膜厚分布付き触媒担持基板に対する熱CVDにより作製されたCNTライブラリを基に、自己組織的に形態制御されたエミッター作製条件を抽出、これらの条件を用いてCNT均一実装サンプルおよびラインパターンCNTアレイを作製、二極および三極特性評価を行った。 ・三次元電場解析(シミュレーション) 二極および三極構造におけるエミッター周囲の電位計算により、FE挙動に対する形態(エミッター径,高さ,実装密度)効果を検証した。エミッターアレイのモデリングにより、自己組織化エミッター作製条件最適化が進展した。 ・電場解析結果と実験結果の比較およびFE面内均一性評価 自己組織化エミッター対して、二極および三極型のFE特性評価を実施、シミュレーションとFE評価結果の比較から特性を考察した。現在までに、自己組織化構造と機能の関係が明らかになりつつある。 初年度の研究で、低駆動電圧,面内FE均一性,長寿命実現のためには、細いエミッター(直径10nm程度)のサブミクロン間隔での実装が求められることが示された。FE駆動後のCNT構造・形態変化の観察、それらを考慮したシミュレーションに基づくFE挙動のダイナミクス、各種エミッターアレイに対するマクロ領域(ミリ領域)のFE均一性評価が現在進行中である。次年度の活動を通してエミッター自己組織化制御法とFEデバイスの最適デザインを結論付け、マルチスケール考察により本研究をまとめる。
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