2010 Fiscal Year Annual Research Report
希土類添加による窒化物半導体赤色発光デバイスの作製と発光機構の解明
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21760007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 敦 大阪大学, 工学研究科, 助教 (60417095)
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Keywords | ユウロピウム / 窒化ガリウム / 有機金属気相エピタキシャル法 / 赤色発光 / フォトルミネセンス / 4f殻内遷移 / LED / 電流注入型デバイス |
Research Abstract |
前年度、Eu添加GaNを活性層とした窒化物半導体赤色発光ダイオードを世界に先駆けて実現することに成功したが、今年度はさらに輝度を向上させるため、Eu添加GaN成長特性及び発光特性の研究を行い、発光ダイオードの試作を行った。 (1)成長圧力依存性 Eu供給量を向上させるためには減圧(10kPa)下での結晶成長が有効であったが、母体材料であるGaNの結晶性を向上させるためには大気圧(100kPa)下での結晶成長が有効である。そこでEu添加GaN大気圧成長を行い、発光特性を調べた。フォトルミネセンス測定の結果、発光積分強度が10倍向上することが分かった。興味深いことに添加Eu濃度自体は減少しており、添加したEuのすべてが発光に寄与しているのではないことが明らかになった。さらにEu発光の測定温度依存性、励起強度依存性から詳細を調べると、Eu発光強度の増大は大気圧成長による非輻射過程の抑制及び発光に寄与するEu数の増大、さらには温度消光の小さな発光ピークが主要因であることがわかった。 (2)大気圧成長Eu添加GaNを活性層とする赤色発光ダイオードの試作 大気圧成長Eu添加GaNを活性層とする赤色発光ダイオードの試作を行い、電流注入発光特性を調べた。電流-光出力測定から光出力が17μWと前年度と比較して10倍超の発光強度増大が示された。外部量子効率は20mA動作時において0.04%であった。しかし、光出力は電流増大により飽和するため、最大効率は0.5mA動作時の0.6%である。よって、活性層の作製条件を最適化することによりEu発光強度の更なる高輝度化が可能であることを示した。
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Research Products
(29 results)