2010 Fiscal Year Annual Research Report
高性能バイポーラトランジスタのための高精度・局所歪み評価
Project/Area Number |
21760011
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
王 冬 九州大学, 産学連携センター, 特任准教授 (10419616)
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Keywords | 解析・評価 / 半導体物性 / 電子・電気材料 / 先端機能デバイス |
Research Abstract |
バイポーラ接合トランジスタ(BJT)の高性能化(高速・低消費電力化)を実現するための手法として、デバイスの活性層に歪みを印加する手法が有効となる。本研究では、高性能BJTを実現するための歪み制御を効率良く実現するために、局所歪みを高精度で評価する手法として、マイクロ・フォトルミネッセンス(μ-PL)を開発することを目的としている。H22年度の成果は以下の通りである。 (1)H21年度に構築した歪み評価用のフォトルミネッセンス測定システムを用いて、自立Siメンブレン構造(Si-On-Nothing構造)形成後にSiN膜を成膜した模擬試料を試作し、Siメンブレンに印加される歪みをμ-PLを用いて評価した。その結果、200nm-SiN/200nm-Si膜では約1%の歪みが導入できること、<100>方向歪みが<110>方向より大きいことを示した。また、深さ方向に対して均一歪みあるいは不均一歪みかの評価手法として、PL信号強度とSi膜厚依存性から判断する方法を提案した。 (2)SiN/SOI構造を試作し、開口部に発生する歪みをPL評価した。その結果、歪み層が照射光の侵入長より大きい時、バンド間遷移に対応する信号は観測されないこと、歪み緩和により歪み層が照射光の侵入長より小さくなると、バンド間遷移の信号が観測されること、開口部のエッジから±3μmでバンド間遷移の信号が急峻に変化すること、を明らかにした。 (3)SiN/SOI-MOSFETを作製しチャネルの移動度を評価した。その結果、チャネル長が短い程、歪みによる移動度向上は大きく、top側で50%、bottom側で30%の向上を示すことを明らかにした。
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