2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧合成条件の最適化のための新しい小型プレス開発
Project/Area Number |
21760016
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
齋藤 寛之 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 任期付研究員 (20373243)
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Keywords | 高温高圧 / 放射光その場観察 / 小型プレス |
Research Abstract |
本研究の目的は高圧合成のための放射光その場観察に最適化した、小型高温高圧発生装置の開発である。 大容量で安定した高温高圧発生が可能なDIA型プレスは高温高圧合成に最適な装置である。放射光その場観察技術との組み合わせることにより、合成条件の最適化が迅速に行える。高温高圧では試料の粒成長が頻繁に起きる。粒成長した試料に対しては、従来のその場観察システムでは原理的に測定が困難であった。本研究では軽量小型化を最優先した新しいプレスを開発することによって、プレス本体ごと試料を振動可能なシステムを構築する。高温高圧下での巨大結晶粒のその場観察を可能とし、高温高圧合成研究の加速を図ることを目的とする。 プレス金型および本体は、すでに報告されている上床らの小型プレスをもとに開発を行った。X線透過能の高い立方晶BNを圧力発生に用いる角度分散式その場観察実験では、プレス金型に回折線を通すための窓の確保が必要になる。従来の大型のプレスを用いた実験では、金型およびサイドブロックに切り込みを入れることで対応していたが、これらの方法が強度的に適応可能であるかを調べた。現時点で約2GPa程度の圧力発生が可能であることを確認した。開口角は水平方向に15°、垂直方向に30°確保されている。この幾何学的配置の場合には40keVのエネルギーの単色X線を使った実験で、d~1.2Aまでの逆格子空間が測定可能である。また約2GPaの高圧下で高温テスト実験を行い、260℃までの加熱に成功した。金属金型の測温も併せて行い、さらに高温(約500℃程度)が発生可能である事が明らかになった。
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