2010 Fiscal Year Annual Research Report
スピン偏極LEEMによる磁性分子の薄膜成長過程に関する研究
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21760022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
劉 虹ウェン 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (30420417)
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Keywords | 薄膜 |
Research Abstract |
今年度、トポロジカル絶縁体Bi_2Te_3の構造と電気特性について評価を行った。要点を以下にまとめる。 (1)Si(111)面上のトポロジカル絶縁体Bi_2Te_3の分子線エピタキシビームによる結晶成長をその場低速エネルギー電子顕微鏡によって評価した。成長中の結晶構造と表面形状を直接明らかにすることができ、単結晶Bi_2Te_3を成長させるための最適な結晶成長条件を同定した。薄膜形成はwetting層とTe/Bi終端の1x1Si(111)表面から成っていることがわかった。ラマン分光スペクトルと原子間力顕微鏡によって、Te-richな実験条件で単結晶Bi_2Te_3が[111]方向に一層ずつ層状に堆積することがわかった。電気測定によって、作製した薄膜が絶縁体であることも確認した。(Crystal Growth and Designにて発表). (2)イオン液体による電気2重層トランジスタを基に、5nm厚さのBi_2Te_3極薄膜の両極性操作を行い、フェルミレベルを調節した。イオン液体による電気2重層トランジスタを用いることで、室温付近(220K)で大きなON-OFF比を有する両極性フィールド効果を実現しただけでなく、絶縁体-金属変遷を実現した。これらの研究によって、Bi_2Te_3絶縁体だけでなく、すべてのトポロジカル絶縁体において、イオン液体による電気2重層トランジスタが電気特性を制御する非常に有効な手段であることを初めてあきらかにした(Nano Letters投稿中)。
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