2009 Fiscal Year Annual Research Report
超音速分子ビームの立体衝突制御による新規触媒表面の創製
Project/Area Number |
21760031
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
HARRIES James Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (30416383)
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Keywords | 表面界面物性 / 触媒・科学プロセス / 原子・分子物理 |
Research Abstract |
本研究の初年度の主な目的は速度選別分子ビーム装置の設計・製作・評価であった。21年度中にSPring-8 BL23SUに設置してあるオフライン装置に速度選別機用の真空チェンバー、分子線源用のノゾル等の設置が完了した。速度選別機自体は阪大岡田美智雄教授と協力して設計が進められた。研究の最終目的は並列分子線を用いて生成された新素材の評価である。そこで放射光ビームラインに設置してある装置を用いて光電子分光による、元素別および化学結合状態別の深さ方向分析法の開発が進められた。この手法は放射光の高エネルギー分解能特性を用いて、角度分解XPS(軟X線光電子分光)スペクトルから深さ方向の情報を見出す方法であって、最大エントロピー法等を用いた解析を用いる。並列分子線装置の完成に備えて、既存の超音速分子線を用いて生成したAIN等の薄膜の評価に応用した。アルミの清浄表面は室温で通常窒化されないが超音速(運動エネルギー1.8eV以上)の分子線を用いると窒化が進む。放射光の高エネルギー分解能を用いてN(1s)の光電子ピーク分析を行って、化学結合別深さ方向分布を始めて見出した。アルミ表面の酸化と異なって、窒化の場合、窒化物は最表面よりも深い層でも生成されることがわかった。さらに、VCrTi等、水素貯蔵材料の酸化物の試料等にも応用した。
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Research Products
(10 results)