2010 Fiscal Year Annual Research Report
準安定原子を活用したソフトプラズマ支援原子層堆積プロセス
Project/Area Number |
21760033
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
北嶋 武 防衛大学校, 電気情報学群, 准教授 (50424198)
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Keywords | 表面・界面物性 / プラズマ加工 / 電子・電気材料 |
Research Abstract |
本研究は、LSI用高誘電率薄膜作成のプラズマ支援原子層堆積プロセスに対し、準安定原子を活用したプラズマプロセスを適用し、その効果を検証するものである。プラズマ照射時の運動エネルギーによる損傷を低減しつつ、準安定原子の内部エネルギーにより表面反応の活性化を図り、膜特性を向上させる考えである。 現有するプラズマ成膜チャンバーにALD薄膜形成用プリカーサ導入機構を付加し、形成膜をXPS,AFM,LEED等により表面分析する。これにより、気相の活性粒子と形成膜との相関を明らかにする。 システム構築を主として行った21年度のあとを受ける形で、22年度は第二段階としてソフトプラズマ支援ALDシステムによる高誘電率薄膜(High-k膜)の作製を行った。High-k材用有機金属ハフニウム(TEMAH)とアルゴン希釈酸素プラズマをシリコンウェハ面に交互に照射し、原子層堆積法により2nmのHfO_2薄膜を形成した。形成された膜を原子間力顕微鏡により分析し、平坦性がアルゴン希釈により大きく改善することを発見した。表面吸着したTEMAHの酸化反応が活性化されるためと考えられる。また、膜の光電子分光分析を行い、膜中の炭素不純物比率がアルゴン希釈酸素プラズマの利用により改善されることを明らかにした。 本研究成果は、High-k膜の原子層堆積プロセスでの準安定酸素原子O(^1D)の表面反応活性化効果を示したものとして新規性が高いと考えている。
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