2009 Fiscal Year Annual Research Report
窒素ガリウム結晶を用いたフォトリフラクティブメモリーの研究
Project/Area Number |
21760035
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤村 隆史 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 助教 (50361647)
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Keywords | フォトリフラクティブ効果 / 窒化ガリウム結晶 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ワイドバンドギャップ半導体結晶を用いて従来のフォトリフラクティブ材料では、両立することができなかった高い記録感度とメモリー性を併せ持つ新しいホログラム記録材料を開発することにある。本申請研究では特に、我々がこれまで行ってきたGaN結晶におけるフォトリフラクティブ効果の研究を発展させ、ホログラム記録特性の改善と共に、再生時にも消えない不揮発性ホログラムの記録を行うことを本研究の研究課題としている。 本年度は、Fe添加量の異なるいくつかのFe:GaN結晶において抵抗率測定、フォトリフラクティブ特性評価、電気光学定数測定とキャリアの種類の特定を行った。得られた電気光学定数は、r_<13>=1.8pm/Vであり、過去の文献値r_<13>=1.55pm/Vとほぼ良い一致を示した。抵抗率とフォトリフラクティブゲイン係数の相関を見ると、屈折率格子由来のゲイン係数は、高抵抗な試料ほど値が減少しており、最も高抵抗な試料では符号が反転する、すなわち支配キャリアが電子からホールへと変化することがわかった。高抵抗化に伴って屈折率格子に起因したゲインが減少した理由は、電子をキャリアとして何らかの準位(Fe or欠陥)に形成された電荷分布が、Fe^<3+>をPR中心として形成されたホールキャリアの電荷分布に打ち消されたことによるものと考えられる。この電子をキャリアとするPR中心はFe^<2+>もしくは、結晶欠陥であると考えられるが、我々が別途測定した光波混合の光強度依存性の測定結果より、電子をキャリアとするPR中心はFe以外の準位によるものであることが判明し、Fe:GaNのPRモデルは、Two-center two-carrierモデルであることことがわかった。
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