2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760037
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松井 龍之介 Mie University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80452225)
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Keywords | 光物性 / テラヘルツ材料・素子 / 導電性高分子 / プラズモニクス / メタマテリアル |
Research Abstract |
従来の光学の常識をくつがえす光学材料・素子を実現する技術としてメタマテリアルに関する研究が国内外において近年活発に研究されている。本研究では従来のメタマテリアル研究とは一線を画した新たな試みとして、導電性高分子ポリピロールを用いたリライタブル・メタマテリアルの創製についての研究を遂行している。 まずはポリピロールの光学的性質についての知見をさらに深めるべく、数100S/cm程度の高い導電率を示すポリピロール薄膜を低温(マイナス40度程度)での電解重合にて作製し、テラヘルツ時間領域分光解析を行った。また、脱ドープにより数10S/cmへと導電率を下げた試料についても作製し、解析を行った。脱ドープ時におけるポリピロールの光学の特性に関する知見を深めることは、リライタブルなデバイスの作製に向けて重要である。0.1~2THzにおける複素屈折率、複素誘電率ならびに複素導電率の実部について解析したところ、数10S/cm程度に導電率を低下させた試料は、ドルーデ型の誘電応答を示さないが、Localization modified Drudeモデルによりよく記述されることが明らかとなった。次年度以降に予定しているリライタブルなデバイスの創製にむけて十分期待の持てる知見が得られたと考えている。また、僅かな延伸により光学特性に大きな異方性を誘起できることも見出しており、当初の計画とは多少方針変更とはなるが、新たなデバイス創製に向けた知見が得られたものと考えている。
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Research Products
(3 results)