2010 Fiscal Year Annual Research Report
空間符号の多層化により三次元表示とセキュア表示を再構成する複合ディスプレイ
Project/Area Number |
21760040
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山本 裕紹 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (00284315)
|
Keywords | ディスプレイ / 情報セキュリティ / 3次元表示 / 光コンピューティング / 偏光演算 / 光暗号 / セキュアディスプレイ / 液晶ディスプレイ |
Research Abstract |
三次元表示とセキュア表示の複合表示ディスプレイの設計を明らかにすることが本研究の目的であり,平成22年度には多層の偏光符号の構築ならびに,立体錯視のひとつであるDFD(Depth-Fused 3-D)現象と視覚復号型暗号の複合化による3Dセキュリティ技術を実現した.光の偏光回転を用いた偏光演算による暗号化について,多層化の際に問題となる波長分散による着色を防止するための偏光回転ルールを導入することで3層を超える多層化時にも明暗のコントラストが保たれる偏光暗号を構築した.本研究の目的である三次元表示とセキュア表示の複合化の例として,三次元表示を用いた新しい視覚復号型暗号(DFD復号型暗号)を実現した.従来の視覚復号型暗号は積層画像の明るさで秘密情報の値を表現していたのに対して,DFD復号型暗号においては,各画素の値を奥行きで表現する違いがある.DFDは輝度変調された2枚の画像を一定間隔を設けて観察するときに輝度比に応じた奥行きに像が知覚される現象である.濃度値を不規則に設定した1枚の画像を復号用の鍵として用いる.これに対して,秘密情報の画素値を復号画像の各画素の奥行きで表現するようにもう1枚の画像の各画素の濃度を定めることで実現される.この方法により1枚の映像信号だけでは秘密情報を復元できず,かつ復号結果が観察される位置を限定するセキュアディスプレイをDFDによる三次元表示で実現した.以上により,映像信号の暗号化と両眼観察位置の限定を行うセキュアな三次元表示を達成するディスプレイの画素配置を設計して,空間符号を構築すること,ならびにディスプレイのハードウェアを固定したままで,ソフトウェア上で暗号化された映像を用いた視野限定(セキュア)表不,三次元表示,セキュア三次元表示,通常二次元表示の表示機能の書き換えを実証すること,という研究の目標課題を達成した.
|
Research Products
(32 results)