2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760041
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
財津 慎一 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (60423521)
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Keywords | 非線形光学 / 誘導ラマン散乱 / 四光波混合 / 共振器 / 連続発振レーザー / 波長変換 |
Research Abstract |
1. ラマンサイドバンド間の位相差計測器の実証 連続発振光励起共振器内誘導ラマン散乱・四光波混合によって発生する多周波数連続発振光の各周波数成分間の位相同期を評価するための新しい手法を提案し、原理実証を行った。これは、非線形検出器を利用し、周波数成分間の位相差をMHz以下の周波数ビートとして検出する方法であり、10THzを超えるような超高繰り返し光パルスの位相同期を評価することができる。この計測器によって、共振器内誘導ラマン散乱過程によって発生させた17.6THz間隔の3周波数成分連続発振光を計測し、共振器内ラマン活性媒質の圧力に依存した周波数間の位相逸脱の定量的な評価に初めて成功した。この依存性は既知の分散から予想される共振機器の縦モードの非等間隔性に一致し、この計測器が位相同期条件を決定する測定器として利用可能であることを実証した。 2. 広帯域分散補償共振器内位相整合四光波混合の実現 近赤外の波長域において広帯域に分散制御された高フィネス共振器を利用することによって、広帯域位相整合四光波混合で実現される高次反ストークス光の発生を初めて観測した。これによって、これまでで最大となる、764nmから883nmにわたる狭線幅連続発振光5本の同時発生に成功した。これは、パルス幅13fs、繰り返し率17.6THzの超高繰り返し光パルス列に相当する。また、高次の反ストークス光までの発振しきい値が同一であることを明らかにし、53THzにわたる位相整合が実現されていることを明らかにした。
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