2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760041
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
財津 慎一 九州大学, 工学研究院, 准教授 (60423521)
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Keywords | 非線形光学 / 誘導ラマン散乱 / 四光波混合 / 共振器 / 連続発振レーザー / 波長変換 |
Research Abstract |
1.位相差計測器を用いた連続発振ラマンサイドバンド間の位相同期条件の計測 昨年度に開発した等間隔に配置された多周波数連続発振光の各周波数成分間の位相同期を評価するための独自手法を用いて、連続発振光励起共振器内誘導ラマン散乱・四光波混合によって発生させた、17.6THz間隔の4本の発振線間の位相同期条件を計測した。共振器内非線形媒質である水素分子の充填圧力を変化させながら、周波数成分間の位相差をMHz以下の周波数ビートとしてスペクトラムアナライザによって測定した。その結果、励起波長801.355nm、水素分子圧力821kPaにおいて近赤外波長域764nm~883nm(52.8THz)にわたる位相同期条件を満たすと考えられる位相同期条件を見出した。この条件下によって発生する位相同期多周波数連続発振光は、時間領域において繰り返し周波数17.6THz、時間幅17.2fsの超短パルス光パルス列を形成していると期待される。 2.広帯域分散補償共振器内位相整合非縮退四光波混合の制御 広帯域に分散制御された高フィネス共振器中で、位相整合条件を制御することによって、連続発振光励起非縮退四光波混合で誘起することに初めて成功した。これは、励起光と、共振器内誘導ラマン散乱によって発生する1次ストークス光が励起光となり、1次反ストークス光(AS1)と2次ストークス光(S2)がラマンサイドバンドを発生する過程である。これらが非縮退位相整合四光波混合による発生はAS1とS2の発生しきい値が一致することによって実験的に確認した。この成果は共振器内で非線形光学過程の制御を実証した初めての成果である。
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