2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760042
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡邉 博文 Kyushu University, システム情報科学研究院, 助教 (30363386)
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Keywords | 高性能レーザー / 光源技術 / 応用光学・量子光工学 / 色素レーザー / ランダムレーザー |
Research Abstract |
本研究はプラスチックを母材とする有機導波路レーザーの高性能化に関する研究を行っている。特に、紫外光で励起する青色領域においては、光耐性が乏しく実用レベルには達していない。本研究では、青色発光領域のレーザーの創製にあたり、局在光制御法を利用した高出力800nm帯レーザーを開発し、その高調波を得ることで400nm帯の青色領域レーザーの実現を試みた。この場合、励起波長は532nmの可視域になるため、有機材料への負担は極めて減少するので、長寿命なレーザーデバイスが実現できる。また、有機材料のマトリクスの考察、励起法の考察を行い、レーザーの高性能化について研究も行った。さらに、有用な青色発光材料の探索も行い、高性能化に向けて多角的なアプローチを行った。 800nm帯発光の材料としてLD800(Rhodamine800)を使用した。当初予定していたLDS系材料は、ポリマーへの高濃度ドープが困難であると同時に、濃度によっては発光領域が800nm帯から大きくずれてしまうなどの問題があった。LD800と黄色発光材料のRhodamine6Gを共添加、高濃度ドープした厚膜型導波路レーザーを作製し、分布帰還構造を組み込んだのち、レーザー発振させ発振波長800nmのレーザー光を得た。さらに、非線形光学結晶β-BBO(3×3×3mm^3)を用いて第二高調波発生を行い、波長400nmのレーザー光の発生に成功した。今年度はさらなる高効率化を目指し、各パラメーターの最適化を中心に長寿命高性能青色レーザーを実現していく。 また、レーザーマトリクスにシリコン材料を一部取り入れ、有機材料の光耐性の強化に成功した。また、実用的なアプローチとしてファイバーカップリングを視野に入れた導波路レーザーの開発と最適化、青色発光材料としてFluorescent Brightener 135、及びスピロ骨格を有する有機EL材料に注目し、導波路レーザーを作製、従来よりも光耐性の高いレーザーデバイスの開発に成功した。 今年度は、これらの成果を統合しつつ、目的とする広帯域導波路レーザーの開発を行っていく。
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Research Products
(15 results)