2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760042
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡邉 博文 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (30363386)
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Keywords | 高性能レーザー / 光源技術 / 応用光学・量子光工学 / 色素レーザー / ランダムレーザー / 光導波路 |
Research Abstract |
本研究はプラスチックを母材とする有機導波路レーザーの広帯域化に関する研究を行った。特に、紫外光で励起する青色領域においては、光耐性が乏しく実用レベルには達していない。本年度では、青色発光領域のレーザーの創製に注目し、二つの研究を実施した。 (1)「局在光制御法を利用した高出力800nm帯レーザーと波長変換による400mn帯光発生」 本年度は、有機発光材料の濃度の最適化およびレーザー性能評価、さらに非線形光学結晶を大きくすることで、安定した高い波長変換効率を実現した。800nm帯発光の材料としてRhodamine 800(Rh800)を使用した。Rh800はドープ濃度に依存する発光スペクトルシフトが小さく、安定した800nm帯発振が得られるとともに、濃度の調整がしやすい。このRh800と黄色発光材料のRhodamine 6G (Rh6G)、さらにナノ微粒子を共添加させた活性層を含む二層厚膜型導波路に分布帰還構造を組み込み、近赤外導波路レーザーを作製した。Rh800とRh6Gの混合比をパラメーターとしてレーザー特性を評価し、4mM:4mMの濃度比において、スロープ効率7.9%、発振しきい値4.6μJを得た。さらに、非線形光学結晶β-BBO(5x5x8mm^3)を用いて第二高調波発生を行い、波長400nmのレーザー光の発生に成功した。 (2)「新規青色発光材料の探索と評価」 スピロフルオレン骨格を有する有機EL材料に注目し、レーザーデバイスを作製した。本材料は通常の有機材料に比べ短い自然放出寿命をもつために、励起パルス幅がレーザーの効率やしきい値、さらには光耐性(動作寿命)に影響を及ぼす。本年度は、励起パルス幅に対する導波路ブルーレーザーの性能を評価し、ナノ秒パルスでは3万ショットに迫る長寿命を観測、またピコ秒パルス励起では、スロープ効率10%を超える高効率なレーザー発振を観測した。 本研究では、プラスチックを母材とした紫外域から青色、近赤外におよぶ導波路レーザーを実現した。
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Research Products
(13 results)