2011 Fiscal Year Annual Research Report
計算科学に現れる超大規模シフト線形方程式の高速・高精度解法に関する研究
Project/Area Number |
21760058
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
曽我部 知広 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (30420368)
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Keywords | 数値解析 / 線形方程式 / シフト線形方程式 / クリロフ部分空間法 |
Research Abstract |
本研究では、我々が開発した複素対称線形方程式用の数値解法であるCOCR法と複素非対称線形方程式用の数値解法であるBiCR法を基礎として、大規模シフト線形方程式を解くための高性能な数値計算法を開発することを目的とし、本件度は以下の研究成果が得られた。 1.シフト複素対称線形方程式用の数値解法に関する成果 ・COCR法のシフト複素対称線形方程式用の解法であるShifted COCR法の論文が公表された。 2.シフト複素非対称線形方程式用の数値解法に関する成果 ・BiCR法のシフト複素非対称線形方程式用の解法の理論的な検討と基本設計を行った。 これは行列が複素対称のときにShifted COCR法に帰着する算法になることが分かった。 3.その他(関連基礎研究成果) ・非対称線形方程式の解法としてLook-Back GMRES(m)法の論文が公表された。 ・複数の右辺項をもつ非対称線形方程式の解法としてBlock IDR(s)法の論文が公表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Shifted COCR法は予定通り開発され、論文が公表された。この後、当初予想されなかった研究が進んだため(以前、このため研究費の繰り越し申請を行った)そちらの研究に時間を費やしたため、当初の計画の後半部分について若干の遅れが生じている。しかしながら、すでに理論的な検討は行っており見通しが立っているため、全体としておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるため以下の3点を行う予定である。 1.当初予想されなかった研究であるシフト線形方程式の解ノルムの効率的計算法を論文としてまとめる。 2.シフト複素非対称線形方程式用の解法であるShiftedBiCR法を論文としてまとめる。 3.これまでに得られた成果の広報活動を行う。
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