2010 Fiscal Year Annual Research Report
フェーズフィールド・クリスタル法による新しいマルチスケール材料特性評価手法の開発
Project/Area Number |
21760074
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高木 知弘 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (50294260)
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Keywords | 機械力学・材料力学 / フェーズフィールド法 / 数値シミュレーション / 計算物理 / 格子欠陥 |
Research Abstract |
本研究では,フェーズフィールド・クリスタル法による新しいマルチスケール材料特性評価手法を確立することを目標としている.昨年度の段階で,フェーズフィールド・クリスタル法による多結晶体変形シミュレーションにおける降伏応力の逆Hall-Petchの関係を確認することができた.これに引続き,逆Hall-PetchからHall-Petchへの移行現象を表現できるかどうか試みようとしたが,Hall-Petch領域では大きな計算領域を必要とし計算負荷が大きいため,まず大規模解析手法の構築を行うこととした.MPIによる並列計算を予定していたが,フェーズフィールド方程式はGPU向きであることを知ったため,GPUによる大規模計算に着手した.まず,フェーズフィールド法による凝固シミュレーションにGPU計算を適用し,計算速度を確認したところ通常CPUの約70倍の計算速度を達成可能であることを確認した.またマルチフェーズフィールド法による粒成長シミュレーションにも適用し,10倍程度の計算速度向上を確認した.これをフェーズフィールド・クリスタル法に適用し,Hall-Petch領域における比較的大きな結晶粒を有する多結晶体に対して計算を行ったが,Hall-Petch関係を出すには至らなかった.これはフェーズフィールド・クリスタル法のモデルの影響ではなく,Hall-Petchの関係を再現するためには初期構造における結晶粒内の不均一性が必要なのではないかと考えており,継続した検討が必要である.
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Research Products
(9 results)