2010 Fiscal Year Annual Research Report
ストレッチを受ける細胞のリアルタイムその場観察による刺激受容部の力学場評価
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21760081
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐藤 克也 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (10403651)
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Keywords | 生体力学 / メカノバイオロジー / 細胞力覚 / 骨芽細胞 / 力学的刺激 / 細胞誘導 / 再生医療 |
Research Abstract |
平成22年度は,前年度の結果を受け,開発したデバイスを用いた細胞応答観察を行うことを計画した.シリコーンゴム製の伸展チャンバー上における細胞の親和性向上を図ったことで,実際に,播種後,チャンバーに接着した状態の細胞に蛍光標識を行い伸展刺激付与中の様子を観察した.観察の結果,伸展変形中の観察平面内における観察対象細胞の剛体変位は良好に抑制されており,その場観察が可能であることが実証された.しかしながら,焦点軸方向の変位が想定よりも大きく,高開口率の油浸レンズを用いた場合には,ピントずれが発生し細胞の詳細な構造や動態をその場観察できない問題が発生した.これらの成果および判明した課題については,国内学術講演会である,日本生物物理学会年会,日本機械学会バイオエンジニアリング部門講演会において学術報告した.また国際会議である6th World Congress of Biomechanicsにおいてオーラルセッションに採択され講演発表を行った. 高倍率観察を行う際に問題となった,焦点軸方向への剛体変位を抑制するために,年度後半は計画を変更して再度デバイスの改良を行った.伸展変形中におけるチャンバーの変位は,デバイス構造中の軸受け部におけるガタが主要な原因であると推察された.そこで,改良型デバイスではガタの原因となる軸受け構造を排し,弾性ヒンジによって伸展チャンバーを支持する全く新規な構成とした.試作の結果,改良型デバイスでは従来のデバイスと比較して伸展変形中の焦点軸方向の変位が抑制されており,以前よりも高倍率での観察に適用できることが分かった.この成果は日本機械学会中国四国支部総会講演会において講演発表を行った.
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